本日はバレンタインデーということで、百貨店の催事場では所狭しと数多くのお店が軒を連ね、最近では日本のみならず、海外からも多数出店しており、煌びやかなチョコレートを求めて毎年賑わいを見せております。
チョコレートといえば、安価で子どもたちに人気の駄菓子から、パティシエが手掛ける高級な商品まで、嗜好品として幅広く愛されておりますが、近年チョコレートの原料であるカカオの不作と高騰により、チョコレートが身近なお菓子ではなくなってきております。
そもそもチョコレートとは、カカオ豆をすりつぶしてできたカカオマスに、砂糖やカカオバターを加え練り固めたもので、これに乳成分を加えたミルクチョコ、またカカオマスを使用せず、代わりに粉乳を用いて作ったホワイトチョコ等、様々な味や色合いがございます。
その主原料であるカカオ豆は、カカオの樹の果実(パルプ)の中にある種子のことを指します。
カカオは農作物として、赤道を挟んで北・南緯20度以内、最低気温16℃以上、年間降雨量1000ml以上という限られた高温多湿な地域で栽培されており、カカオベルトと呼ばれるこういったエリアの中でも特に西アフリカ、東南アジア、中南米といった国々で栽培されております。
カカオ豆の生産量が多い国として、コートジボワール、ガーナ、インドネシア、エクアドル、ブラジルといった順であげられますが、日本はガーナからの輸入が約80%を占めております。
昨今、生産量世界一位のコートジボワールや、日本が輸入するガーナといった西アフリカ地域において、干ばつや大雨等の気候変動の影響で、カカオの収穫量が大幅に減少しております。
需要と供給のバランスが崩れ価格が徐々に上がっていく中、それに目を付けた投資家が参入し、2023年後半から価格は急激に高騰、2024年春頃に一旦落ち着いたものの、現在では昨年の価格を上回り、過去最も高い相場価格で推移しております。
すでにニュース等でも多数取り上げられておりますが、このカカオショックは世界的にも大きな話題となっており、気候変動や現地農家の収益性の低さ、労働環境問題等、様々な要因が複雑に絡み合っており、すぐに解決するような問題ではなさそうです。
原材料の高騰により、お客様にリーズナブルなチョコレートの提供が難しくなっている現状は、メーカーとして非常に心苦しいところではございますが、一消費者としても、いち早く手ごろな価格で美味しいチョコレートを食べられる世の中に戻ってほしいと願うばかりです。
福助製菓株式会社 平井将貴